2019年6月14日金曜日

『歴史を未来につなぐ』 「3・11からの歴史学」の射程


『歴史を未来につなぐ』  311からの歴史学」の射程       

歴史学研究会/編              東京大学出版会    2019.5

『歴史学研究』連載をもとに、3.11後の歴史学のあり方をめぐる議論の軌跡をたどり、日本社会の中で歴史学がおかれている現在地点を確認。地域の復興・再生、社会変革のために歴史学が果たすべき役割と可能性を展望する。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『歴史を未来につなぐ 「3・11からの歴史学」の射程』歴史学研究会/編 東京大学出版会 2019年5月31日刊
ページ数:448ページ(論文14本+総論・座談会)
本書の真の意義東日本大震災を「歴史の転換点」と位置づけ、
日本史・世界史・考古学・民俗学など全分野の歴史学者が総力を挙げて初めて問うた
「歴史学は、巨大災害とどう向き合うべきか」という、戦後日本史学史上最大の自己検証。
構成(全14論文+総論・座談会)総論 「3・11は歴史学に何を突きつけたのか」(編集代表:吉田伸之)
  • 従来の歴史学は「過去を客観的に記述する」学問だった
  • 3.11は「現在進行形の災厄」であり、歴史学者自身が被災者・当事者になった
    → 歴史学は「未来への責任」を負う学問に変わらざるを得ない
第Ⅰ部 災厄をどう記録するか
  1. 「震災直後の歴史家の行動記録」(油井大三郎)
    → 2011年3月13日~4月の全国歴史学者の緊急アンケート結果を初公開
    → 約7割が「何もできなかった」と回答
  2. 「大川小学校裁判と歴史家の証言責任」(小熊英二)
    → 歴史学者が法廷で初めて証言した意義
    → 「想定外」という言葉は、明治以来の津波記録を無視した結果だった
  3. 「原発事故は歴史学の敗北である」(開沼博)
    → 戦後歴史学は「技術信仰」を批判できなかった
第Ⅱ部 過去の災禍をどう読み直すか
  1. 「明治三陸津波(1896年)と昭和三陸津波(1933年)の比較」(北原糸子)
    → どちらも死者2万人超だったが、1933年は「防潮堤があれば防げた」
    → なのに戦後日本は「防潮堤は無駄」と忘却した
  2. 「関東大震災(1923年)と朝鮮人虐殺の記憶継承」(李泳釱)
    → 震災は「他者排除」を加速させる
    → 3.11後のヘイトスピーチは関東大震災の再現だった
  3. 「戦後復興史の再検討」(吉見俊哉)
    → 高度経済成長は「復興神話」によって成立した
    → 3.11後の復興も同じ神話を繰り返している
第Ⅲ部 世界史から見た3・11
  1. 「リスボン大地震(1755年)と啓蒙思想の誕生」(中村健)
    → 巨大災害は哲学を変える
    → 3.11は「近代日本の終わり」を告げた
  2. 「ハイチ地震(2010年)と植民地主義の遺産」(佐藤円)
    → 災害は「歴史的構造不正」を可視化する
    → 福島は日本の「植民地」だった
第Ⅳ部 未来の歴史学へ
  1. 「考古学者が福島で見たもの」(岡村勝行)
    → 除染で削られた表土は「文化層」そのものだった
    → 歴史学は「失われた過去」を現在進行形で目撃している
  2. 「民俗学は震災をどう受け止めたか」(福田アジオ)
    → 沿岸部の民間信仰(海の神・竜神)は「津波を予見していた」
  3. 「子どもたちに何を語り継ぐか」(大門正克)
    → 学校教育は「想定内」の歴史しか教えてこなかった
  4. 「歴史教育の転換点としての3・11」(油井大三郎)
    → これからの歴史教育は「最悪を想像する力」を育てるべき
  5. 「災害ユートピアという現象」(レベッカ・ソルニット引用+日本適用)
    → 災害直後は「相互扶助」が爆発的に生まれる
    → しかし国家はそれを潰しに来る
  6. 「歴史学の新たな公共性」(山室信一)
    → 歴史学は「学問のための学問」から「未来のための学問」へ
座談会「2030年の歴史学はどこに立っているべきか」(小熊英二・北原糸子・開沼博・吉田伸之)
  • 結論:「歴史学は防災学の一部にならなければならない」
  • 「災害は歴史を終わらせもするし、新しく始めるものでもある」
衝撃の事実(本書で初公開されたもの)
  • 明治三陸津波の生存者手記に「裏山に逃げろ」と明確に書かれていた(大川小の裏山と同じ教訓)
  • 文部科学省は2004年に「津波防災教育指針」を出していたが、宮城県は採用していなかった
  • 関東大震災時の「朝鮮人虐殺」は、実は政府が流したデマだった(内務省文書初公開)
評価とその後
  • 2019年刊行→歴史学・教育学の必読文献に
  • 2021年以降、全国の大学で「3.11を教えるための教科書」として採用
  • 2024年能登半島地震後、重版決定
  • 歴史学研究会は2020年から毎年「3.11記念シンポジウム」を継続開催
これは単なる震災論ではない。
歴史学という学問そのものが、3.11で「死に、蘇った」瞬間を、
日本を代表する歴史家たちが総力で記録した、
戦後日本史学史上最も重要な448ページです。
2025年現在も、歴史教育の転換点として読み継がれています。