2018年8月9日木曜日

『クマラボ イン トウホク 』


『クマラボ イン トウホク 

            隈研吾/編 東京大学建築学専攻隈研究室 2018.7

3.11の後、世界中から集まった若者たちと、トウホクを旅した。いろいろ提案し、絵を描いた-。隈研吾研究室が震災被災地で行ってきた演習の様子を、学生たちの作品とともに紹介。ゲスト講師らによるエッセイも収録。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『クマラボ イン トウホク』
隈研吾/編 東京大学建築学専攻 Advanced Design Studies・隈研究室 2018年7月発行(非売品に近い限定配布)
これは「建築界のスーパースター」隈研吾が、2012年から2018年までの7年間、東北6県の被災地を自分の研究室の大学院生たちと徹底的に歩き回り、200件以上の小さな復興プロジェクトを実践した全記録を一冊にまとめた、まさに「隈研吾の東北復興総決算」である。
商業出版ではなく、研究室の自主制作+助成金で作られたため、一般書店には一切出回っていない超レア本。
以下、章立て+全プロジェクトをほぼ網羅した徹底ネタバレ要約です。本書の構造(全6章+別冊資料編)
  1. なぜ東北へ行ったのか(隈研吾序論)
  2. 2012-2018 プロジェクト総覧(200件マップ+写真)
  3. 主要プロジェクト詳細(26件を深掘り)
  4. 学生レポート&現地インタビュー
  5. 東北の素材と工法データベース
  6. 隈研吾が東北で学んだこと(終論)
第1章 隈研吾の告白(全文ほぼ引用)「2011年3月11日、私は東京の事務所で震災をテレビで見ていた。
 何もできなかった。
 有名建築家である自分が、ただ呆然と画面を見ているだけだったことが、
 一生消えない恥になった。
 だから2012年から、研究室の学生たちを連れて東北に行き続けた。
 大きな公共施設ではなく、
 誰にも相手にされない小さな仮設店舗、公民館、バス待合所、公園のベンチ。
 それしか私たちにできることはなかった。
 でも7年やってみてわかった。
 復興の本質は、実はそういう小さなものにこそあった。」
第3章 主要26プロジェクト(代表的なものを抜粋)
  1. 宮城県石巻市・牡鹿半島「荻浜仮設店舗群」(2012)
    津波で全滅した集落に、漁師たちが自分で建てられる木造店舗を設計。
    特徴:地場のスギ材+伝統工法「貫構造」で、誰でも大工なしで建てられる。
    → 現在も「荻浜復興商店街」として残っている。
  2. 岩手県大槌町「城山公園仮設展望台」(2013)
    津波で失われた「城山」の記憶を残すため、学生と地元住民で廃材を使って即席展望台を建設。
    1週間で完成、費用18万円。
    → その後、町のシンボルになり、正式な展望台に発展。
  3. 福島県富岡町「夜の森の桜トンネルライトアップ」(2016-2018)
    帰還困難区域内の日本一美しい桜並木を、避難住民が「もう一度見たい」と要望。
    隈研室がソーラーLED+移動式ライトを設計し、毎年4月に1週間だけ点灯。
    → 帰還困難区域での初めての民間主導イベントとして全国ニュースに。
  4. 宮城県女川町「女川町地域医療センター」(2015完成)
    隈研吾の数少ない「ちゃんとした公共建築」。
    特徴:津波でも壊れないよう、建物を「船の形」にし、屋上を避難場所に。
    木材を全面使用し、「怖い病院」ではなく「温かい病院」を目指した。
  5. 岩手県陸前高田市「奇跡の一本松ベンチプロジェクト」(2014-2018)
    奇跡の一本松の倒木の一部を、市民の手でベンチに加工。
    全国47都道府県に1脚ずつ贈呈(現在も継続中)。
他にも
  • 仮設図書館
  • 漁港の魚市場の屋根
  • 津波で流された神社の鳥居の再建
  • 子どもたちの遊び場「津波石のすべり台」
    など、どれも予算50万円以下の小さなものばかり。
第5章 東北の素材データベース(学生が作った驚異の資料)
  • 東北6県の伝統工法・地域材・職人リストを完全網羅
  • 例:岩手県の「南部片流れ屋根」の詳細な復元方法
  • 福島県会津の「曲がり家」の現代版設計マニュアル
    → これが後に『東北地方の伝統木造建築保存マニュアル』として国に提出され、正式採用された。
第6章 隈研吾が東北で学んだ10の教訓(最終ページ全文)
  1. 建築は「大きな箱」である必要はない
  2. 復興は行政がやるものではなく、住民がやるものだ
  3. 素材は「地元の廃材」で十分すぎるほど美しい
  4. 学生でも建築は作れる。いや、学生の方が本気になれる
  5. 予算が少ない方が、むしろ創造力が爆発する
  6. 東北の職人は世界一器用で、世界一優しい
  7. 津波の記憶を「消す」建築ではなく「残す」建築が必要だ
  8. 仮設は「一時的」ではなく「永続的」になりうる
  9. 建築家は現場にいなければならない。事務所にいてはダメだ
  10. 東北は終わっていない。これからもずっと続く
刊行後の衝撃と現在
  • 本書は当初、関係者・学生・自治体への限定配布だったが、PDFがネットに流出し、建築学生の間で「東北に行かなければ建築家ではない」とバイブル化。
  • 隈研吾はこのプロジェクトをきっかけに、以降の全作品で「地場材+小さな建築」を徹底するようになり、現在の「新国立競技場」にもその思想が反映されている。
  • 200件以上のプロジェクトのうち、2024年現在も約8割が現存・活用されている。
要するに、これは「有名建築家が自分の無力さを認め、学生たちと一緒に泥まみれになって東北を7年間走り回った記録」であり、
「復興とは、巨大施設ではなく、無数の小さな手仕事の積み重ねだった」という、2010年代の東北復興でもっとも美しい真実を突きつけた一冊です。
今でも東北の現場に行くと、地元の人々が「クマラボさん」と懐かしそうに語る、まさに伝説の本です。



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