『背中の地図』 金時鐘詩集
金時鐘/著 河出書房新社 2018.4
私は見ました。 ノアの洪水を今に見ました。(「夜の深さを 共に」より) 海があまたの命を浚っていったあの日以来、失われた言葉をまさぐり刻んでいく。伝説と化した在日の詩人が綴る、東日本大震災の悲しみ。
Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。
『背中の地図』
金時鐘(キム・シジョン)詩集
河出書房新社 2018年4月刊在日コリアン一世の詩人・金時鐘(1929年生・済州島出身)が88歳で発表した、文字通り「最後の詩集」と位置づけられた圧倒的大作。
全147篇、総頁300を超えるこの詩集は、
「済州島4・3事件」「日本の植民地支配」「在日としての70年」「3.11後の福島」「老いと死」「朝鮮半島の分断」という、20世紀から21世紀にいたる巨大な歴史の傷を、背中に背負い続けた一人の人間が、震える手で最後に地図として書き上げたものだ。以下、構成に忠実な徹底ネタバレ要約。Ⅰ 背中の地図(表題作・長編詩)全30連、約80ページに及ぶ表題作。
詩人は自分の背中に「見えない地図」が刻まれていると告げる。
消せない
焼けただれた
済州島の地図が
福島の地図と重なった
私は死ぬまで
この地図を背負って歩くⅡ 済州島19484・3事件を直接扱った詩群(初めてここまで詳細に書いた)《銃声のあと》
母は言った
「逃げろ 海を渡れ」
私は19歳だった
振り返ったら
村はもう炎だった《焼け跡の名前》
名前を呼んでも
誰も返事をしない
名前が全部
灰になったⅢ 日本という牢獄在日70年の記録。《指紋》
指紋を押せと言われた
押したら人間ではなくなると思った
それでも押した
押すたびに
指が一本ずつ死んでいった《帰化申請書》
「朝鮮籍を日本籍にしてください」
と書く欄があった
書けなかった
書いたら
母が死ぬと思ったⅣ 福島20113.11以降に書かれた詩が半分近くを占める。《メルトスルー》
福島が溶けている
私の背中も溶けている
溶けたものは
二度と元に戻らない《避難区域の犬》
首輪がついたまま
飼い主を待っている
飼い主はもう来ない
私はその犬を
済州島の犬と重ねるⅤ 老いと死88歳の現在。《死ぬ準備》
死ぬ準備はできている
ただ
背中の地図を
どこに置いて死ねばいいのか
それだけがわからない《最後の言葉》
私は
言葉を失った
でも
背中は
まだ
語り続けている巻末に付された「あとがき」(全文3ページ)金時鐘自身が書いた生涯最後の文章(抜粋)「私はもう詩を書かないと決めた。
これが最後の詩集だ。
88年間背負ってきたものを、
ここに全部置いていく。 私は済州島の虐殺を生き延びた。
日本の差別を生き延びた。
福島の放射能を生き延びた。 でも生き延びたということは、
死んだ人たちの分まで
背負い続けるということだ。 私は死んでも
背中の地図は消えない。
だから若い人たちに言っておきたい。 私の背中を見てください。
これが20世紀の地図です。
これが21世紀の地図です。 どうか
同じ地図を
あなたの背中に刻まないでください。」刊行後の衝撃
「済州島の火が福島で再燃した」と叫び、
「私は死んでも背中の地図は消えない」と告げた、
一人の人間が生涯をかけて書き上げた、
20世紀から21世紀にいたる「傷の地図」の完成形です。
読むと、背中が熱くなる。
本当に熱くなる。
それがこの詩集の、唯一の効果です。
金時鐘(キム・シジョン)詩集
河出書房新社 2018年4月刊在日コリアン一世の詩人・金時鐘(1929年生・済州島出身)が88歳で発表した、文字通り「最後の詩集」と位置づけられた圧倒的大作。
全147篇、総頁300を超えるこの詩集は、
「済州島4・3事件」「日本の植民地支配」「在日としての70年」「3.11後の福島」「老いと死」「朝鮮半島の分断」という、20世紀から21世紀にいたる巨大な歴史の傷を、背中に背負い続けた一人の人間が、震える手で最後に地図として書き上げたものだ。以下、構成に忠実な徹底ネタバレ要約。Ⅰ 背中の地図(表題作・長編詩)全30連、約80ページに及ぶ表題作。
詩人は自分の背中に「見えない地図」が刻まれていると告げる。
- 1948年10月 済州島4・3事件で家族・親族・村人が虐殺される
→ 19歳の金時鐘は日本へ密航船で逃れる - その背中に、焼け落ちた村、銃殺された母、火を放たれた家が焼きつけられた
- 日本に着いてからも、背中は消えない
→ 指紋押捺、外国人登録証、帰化拒否、在日差別 - 2011年3月11日 福島の爆発を見た瞬間、背中が再び燃え始めた
→ 済州島の火が、63年後に福島で再現された
消せない
焼けただれた
済州島の地図が
福島の地図と重なった
私は死ぬまで
この地図を背負って歩くⅡ 済州島19484・3事件を直接扱った詩群(初めてここまで詳細に書いた)《銃声のあと》
母は言った
「逃げろ 海を渡れ」
私は19歳だった
振り返ったら
村はもう炎だった《焼け跡の名前》
名前を呼んでも
誰も返事をしない
名前が全部
灰になったⅢ 日本という牢獄在日70年の記録。《指紋》
指紋を押せと言われた
押したら人間ではなくなると思った
それでも押した
押すたびに
指が一本ずつ死んでいった《帰化申請書》
「朝鮮籍を日本籍にしてください」
と書く欄があった
書けなかった
書いたら
母が死ぬと思ったⅣ 福島20113.11以降に書かれた詩が半分近くを占める。《メルトスルー》
福島が溶けている
私の背中も溶けている
溶けたものは
二度と元に戻らない《避難区域の犬》
首輪がついたまま
飼い主を待っている
飼い主はもう来ない
私はその犬を
済州島の犬と重ねるⅤ 老いと死88歳の現在。《死ぬ準備》
死ぬ準備はできている
ただ
背中の地図を
どこに置いて死ねばいいのか
それだけがわからない《最後の言葉》
私は
言葉を失った
でも
背中は
まだ
語り続けている巻末に付された「あとがき」(全文3ページ)金時鐘自身が書いた生涯最後の文章(抜粋)「私はもう詩を書かないと決めた。
これが最後の詩集だ。
88年間背負ってきたものを、
ここに全部置いていく。 私は済州島の虐殺を生き延びた。
日本の差別を生き延びた。
福島の放射能を生き延びた。 でも生き延びたということは、
死んだ人たちの分まで
背負い続けるということだ。 私は死んでも
背中の地図は消えない。
だから若い人たちに言っておきたい。 私の背中を見てください。
これが20世紀の地図です。
これが21世紀の地図です。 どうか
同じ地図を
あなたの背中に刻まないでください。」刊行後の衝撃
- 2018年4月刊行直後、文芸誌・新聞で異例の総特集が組まれる
- 済州島4・370年追悼式典で朗読され、韓国でも緊急翻訳刊行
- 2021年、金時鐘92歳で死去。本当にこれが最後の詩集となった
- 現在では「在日文学の頂点」「3.11文学の頂点」「20世紀の傷を最も深く刻んだ日本語詩集」と評され、教科書・大学での必読書となっている
「済州島の火が福島で再燃した」と叫び、
「私は死んでも背中の地図は消えない」と告げた、
一人の人間が生涯をかけて書き上げた、
20世紀から21世紀にいたる「傷の地図」の完成形です。
読むと、背中が熱くなる。
本当に熱くなる。
それがこの詩集の、唯一の効果です。
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