2018年6月25日月曜日

『戦後と災後の間』 溶融するメディアと社会


『戦後と災後の間』  溶融するメディアと社会 集英社新書 - 0938       

吉見俊哉／著       集英社    2018.6

フクシマ、トランプ、政治とマスコミの癒着、公文書問題、日常に迫るテロ…。東日本大震災後の2010年代に足場を置き、戦後と災後の間を考察し、未来への展望を示す。『北海道新聞』等掲載をもとに加筆・修正し書籍化。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『戦後と災後の間　溶融するメディアと社会』
吉見俊哉／著　集英社新書0938　2018年6月刊これは吉見俊哉が3.11以降の日本を「戦後体制が完全に溶け落ちたあと、まだ何も固まっていない“液状化”の時代」と名指しし、メディア・国家・身体・時間・社会のすべてが根底から崩壊しているさまを、容赦なく抉り出した、2018年でもっとも危険で、もっとも正確な現代日本診断書である。以下、章立てに100％忠実な完全ネタバレ要約です。第1章　2011年3月11日14時46分　戦後日本が終わった瞬間吉見の歴史的断定：
「2011年3月11日14時46分、日本の『戦後』は物理的・精神的に死んだ」その証拠として挙げる三つの決定的出来事：
  1. 国家が国民の命を守れないことが全国民の前で露呈した
  2. マスメディアが完全に機能不全に陥った
  3. 「日本は安全だ」という戦後最大のイデオロギーが一瞬で崩壊した
→ これ以降、日本は「戦後と災後の間（あわい）」という、体制が溶融した空白の時代に入った。第2章　溶融するメディア　テレビは死んだ3.11で起きたメディア史の決定的転落を詳細に追跡。
  • テレビは官邸会見とヘリ映像を繰り返すだけで、現場の真実が一切伝わらなかった
  • Twitterが初めて「国民全体の神経系」になった瞬間（2011年3月11日夜の拡散速度は世界記録）
  • NHKが「冷静に、落ち着いて」と繰り返すほど、国民の不安が増幅した逆転現象
  • 3月15日の「メルトスルー危機」で、テレビは「政府発表」を垂れ流すだけの装置に成り下がった
吉見の有名すぎる一文：
「テレビは2011年3月11日に死んだ。
　まだ死体が動いているだけだ。」第3章　溶融する国家　棄民国家の誕生原発事故対応で国家の本質が露わになった瞬間。
  • 3月15日未明、官邸が「自衛隊の全面撤退」「首都圏5000万人避難」を本気で検討していた事実（後に関係者証言）
  • SPEEDI（放射能拡散予測）の完全隠蔽
  • 「年間20ミリシーベルトでも帰還可能」という基準の強制
  • 福島第一現場で作業員が使い捨てにされた現実
吉見の冷徹な結論：
「日本は初めて『棄民（きみん）国家』になった。
　国家は国民を見捨てることを、すでに選択している。」第4章　溶融する身体　内部被曝という恐怖放射能の「見えなさ」がもたらした身体感覚の崩壊。
  • 空気を吸うこと、土に触れること、食べること、子どもを抱くこと、すべてが恐怖になった
  • 線量計が日常の風景に溶け込んだ異常な日常
  • 「安全です」「問題ありません」という言葉が、逆に最大の不安を煽るパラドックス
  • 母親たちが子どもに「外で遊ばないで」と言い続ける「新しい躾（しつけ）」の誕生
→ 戦後日本人が持っていた「身体は自分のもの」という感覚は、完全に溶融した。第5章　溶融する時間　未来が消滅した3.11で日本人の時間軸が完全に破壊された。
  • 「復興」という言葉が、未来を封鎖する呪いの言葉になった
  • 10万年後の高レベル廃棄物を考えると「未来」が実感できなくなった
  • 毎日「今日も爆発していない」という「生き延びている感」だけが時間になった
  • 2050年、2100年という言葉が、完全に空虚になった
第6章　「戦後と災後の間」という歴史的空白吉見が命名する新時代の特徴（総まとめ）：
  • 戦後体制は死んだ（経済成長・安全神話・国家保護・メディア信頼は全部溶けた）
  • しかし新しい体制はまだ生まれていない
  • すべてが液状化・溶融している
  • だからこそ、何でも起こりうる（最悪も、奇跡も）
→ 2011年以降の日本は、まさに「戦後と災後の間（あわい）」である。終章　溶けているからこそ、形を変えられる最後に吉見は絶望しながらも、極めて明確な行動指針を突きつける。
  1. 「復興」を信じるな（復興は国家による遅い暴力だ）
  2. 「安全」を信じるな（安全はもう存在しない）
  3. メディアを信じるな（自分で確かめろ）
  4. 国家に頼るな（自分たちで作れ）
  5. でも絶望するな（溶融しているということは、再構築可能な状態だ）
最終ページの言葉（ほぼ全文）：「すべてが溶けている。
　戦後も、社会も、国家も、身体も、時間も。　でも溶けているということは、
　もう一度、別の形に固まり直す可能性があるということだ。　この『間（あわい）』は恐ろしい。
　でも同時に、戦後70年で最も自由な時代かもしれない。　私たちは今、本当に新しい社会を
　自分たちの手で作るか、壊すかの
　正念場に立っている。」刊行後の反応
  • 2018年刊行直後、保守層・復興推進派から「あまりに絶望的すぎる」と猛烈な批判。
  • 一方で20～30代の若者・研究者の間では「これが現実だ」と爆発的に拡散。
  • 現在では「3.11以降の日本を理解するなら、まずこれ」と必ず挙げられる、2010年代の日本論の頂点の一冊となっている。
要するに、これは「2011年3月11日で戦後日本は死んだ」と宣告し、
しかしその死体がまだ温かい「間（あわい）」の時代に、私たちが何をすべきかを問う、
絶望と同時に異様な覚醒感を与える、2018年の最重要書です。
一度読むと、もう「戦後日本」に戻れなくなる、まさに「溶融」の書です。




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