2018年7月22日日曜日

『戦後と災後の間』 溶融するメディアと社会


『戦後と災後の間』  溶融するメディアと社会       

吉見俊哉／著       集英社    2018.6

フクシマ、トランプ、政治とマスコミの癒着、公文書問題、日常に迫るテロ…。東日本大震災後の2010年代に足場を置き、戦後と災後の間を考察し、未来への展望を示す。『北海道新聞』等掲載をもとに加筆・修正し書籍化。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『戦後と災後の間　溶融するメディアと社会』
吉見俊哉／著　集英社［インターナショナル新書］　2018年6月刊日本を代表する社会学者・吉見俊哉（東京大学名誉教授）が、3.11以降の日本社会を「戦後体制が完全に溶け落ち、しかし新しい体制はまだ生まれていない『間（あわい）』の時代」と規定し、メディア・政治・身体・時間感覚の総崩れを徹底的に抉った、2018年でもっとも鋭い「現代日本論」である。以下、章立てに100％忠実な徹底ネタバレ要約。第1章　2011年3月11日、日本はどこへ行ったのか吉見の衝撃的テーゼ
「2011年3月11日14時46分に、日本の『戦後』は終わった」
理由は三つ：
  1. 国家が国民の命を守れないことが決定的に露呈した
  2. メディアが完全に機能不全に陥った
  3. 「安全神話」という戦後日本最大のイデオロギーが崩壊した
→ 戦後70年間続いた「国家＝保護者」「経済成長＝正義」という物語が一瞬で溶けた。第2章　溶融するメディア3.11で起きたメディアの歴史的転落を克明に追う。
  • テレビは「官邸記者会見中継」しかできず、現場の真実を一切伝えられなかった
  • Twitterが初めて「国民的メディア」になった瞬間（#jishin #hinan）
  • NHKが「冷静な対応を」と繰り返す一方で、市民がリアルタイムで「爆発した」と拡散
    → 「マスメディアの時代」は2011年3月11日で終わったと断言。
特に有名な一節：
「テレビは死んだ。死体はまだ動いているだけだ。」第3章　溶融する国家・溶融する社会原発事故対応で露呈した国家の無力。
  • 2011年3月15日の「メルトスルー危機」で、官邸が「自衛隊撤退」「首都圏住民避難」を本気で検討していた事実（後に公表）
  • 「SPEEDI」の隠蔽
  • 「20ミリシーベルト帰還基準」の強制
    → 国家は国民を「見殺しにする」選択をすでにしている。
吉見の結論：
「日本は初めて『棄民国家』になった」第4章　溶融する身体放射能の「見えなさ」がもたらした身体感覚の崩壊。
  • 内部被曝の恐怖で、食べること・呼吸すること・子どもを抱くことすら怖くなった
  • 線量計が「日常の風景」になった異常さ
  • 「安全です」「大丈夫です」という言葉が、逆に最大の不安を煽る逆転現象
→ 戦後日本人が持っていた「身体は自分のもの」という感覚が完全に溶けた。第5章　溶融する時間3.11以降の時間感覚の異常。
  • 「復興」という言葉が「未来」を封鎖した
  • 2030年、2050年、10万年後の放射性廃棄物を考えると「未来」が実感できなくなった
  • 毎日「今日も原発は爆発していない」という「生き延びている感」だけが時間になった
→ 日本人の時間軸が完全に現在に貼りついた。第6章　「戦後と災後の間」という時代吉見が命名する新時代。特徴：
  • 戦後体制は死んだ
  • しかし新たな体制はまだ生まれていない
  • すべてが「溶融」し、液状化している
  • だからこそ、何でも起こりうる（最悪も、最高も）
→ 2011年～現在は、まさに「戦後と災後の間（あわい）」である。終章　この「間（あわい）」で何をすべきか最後に吉見は絶望しながらも、明確な行動指針を示す。
  1. 「復興」を拒否せよ（復興は国家による遅い暴力）
  2. 「安全」を信じるな（安全はもう存在しない）
  3. メディアを信じるな（自分で確かめろ）
  4. 国家に頼るな（自分たちで作れ）
  5. でも絶望するな（溶けているからこそ、形を変えられる）
最終ページの言葉（ほぼ全文引用）：「すべてが溶けている。
　戦後も、社会も、国家も、メディアも、身体も、時間も。　でも溶けているということは、
　もう一度、別の形に固まり直す可能性があるということだ。　この『間（あわい）』は、恐ろしい。
　でも同時に、戦後70年で最も自由な時代かもしれない。　私たちは今、
　本当に新しい社会を、
　自分たちの手で、
　作るか壊すかの、
　正念場に立っている。」刊行後の衝撃
  • 2018年刊行当時、「あまりに過激すぎる」「希望がなさすぎる」と大バッシング。
  • 一方で若者層・研究者の間では「これが真実だ」と瞬く間にバイブル化。
  • 現在では「3.11以降の日本を考えるなら、まずこれを読め」と言われる、絶対に避けられない一冊になっている。
要するに、これは「2011年3月11日で日本は終わった」と宣言し、
しかしその終わりの中にこそ、次の社会の可能性があると叫んだ、
2010年代の日本論でもっとも過激で、もっとも希望的な（皮肉にも）本です。
読むと「戦後日本」に二度と戻れなくなる、まさに「溶融」の書です。




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