2022年11月26日土曜日

「東電役員に13兆円の支払いを命ず! 」 東電株主代表訴訟判決

 「東電役員に13兆円の支払いを命ず」 東電株主代表訴訟判決           

 

河合弘之/編       旬報社    2022.1

 

原発事業者としての義務を怠った東電役員を断罪した歴史的判決は、どのようにして勝ち取ることができたのか-20227月に東京地裁商事部が言渡した東電株代訴訟の判決内容と、その意義を解説する。

Xの人工知能(AI)Grok3βにこの本の内容の要約を書いてくださいと質問しました。

回答は以下です。

 『東電役員に13兆円の支払いを命ず! 東電株主代表訴訟判決』(河合弘之編、旬報社、2022年1月)は、2011年の福島第一原子力発電所事故をめぐる東京電力(東電)の旧経営陣に対する株主代表訴訟の詳細と、その結果として2022年7月に東京地裁が下した歴史的な判決を主題とした書籍です。編者の河合弘之氏は、この訴訟の弁護団長を務めた弁護士であり、事故の責任追及に深く関与した人物です。本書は、訴訟の経緯や判決の意義を、関係者の視点から詳細に描いています。
要約
 本書は、東電株主46人が旧経営陣5人(勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長、小森明生元常務)に対し、事故による損害約22兆円を東電に賠償するよう求めた株主代表訴訟を中心に展開されます。訴訟の核心は、旧経営陣が津波による原発事故を予見できたにもかかわらず、適切な対策を怠ったことで会社に巨額の損害を与えたという主張です。
主な内容
  1. 訴訟の背景と経緯
    • 第1章と第2章では、市民運動として始まったこの訴訟の目的と、裁判がどのように進められたかを解説。株主側が10年以上にわたり責任追及を続けた過程が描かれています。
    • 第3章では、取締役としての安全確保義務と、事故による被害の立証に費やされた努力が詳細に記述されています。
  2. 争点と証拠
    • 第4章では、国の地震調査研究推進本部(推本)が2002年に公表した「長期評価」や、過去の貞観津波(869年)のデータが津波対策の根拠として信頼できるかが争点として扱われました。株主側は、これらの情報を基に対策が可能だったと主張。
    • 第5章「福島原発事故をめぐる東京電力物語」では、対談形式で東電の原発建設から事故に至る歴史を振り返り、事故の背景に迫ります。
  3. 判決の論理と結果
    • 第6章では、2022年7月13日の東京地裁判決が、被告4人(勝俣、清水、武黒、武藤)の任務懈怠を認め、13兆3210億円の賠償を命じた理由を解説。裁判所は、津波の予見可能性と対策の怠慢を「著しく不合理」と断じ、「安全意識や責任感の根本的欠如」を批判しました。
    • 第7章では、事故が回避可能だったかという因果関係を検討。現地視察や専門家の証言が判決に影響を与えたことが強調されています。
  4. 賠償額の意味と影響
    • 第8章では、13兆円という前例のない賠償額が、廃炉費用、賠償金、除染費用などを反映したものであり、原発事業者の責任の重さを示すと説明。
    • 第9章では、判決が東電や国の責任否定に抵抗する「橋頭堡」となり、今後の原発政策や企業統治に与える影響を河合弘之と海渡雄一のインタビューで総括しています。
特徴と意義

 本書は、裁判資料や証言、判決文を基にした迫真のドキュメントであり、単なる法廷記録を超えて、福島原発事故の「人災」性を浮き彫りにします。特に、裁判官が福島第一原発を直接視察し、津波対策の不備を確認したことが勝訴の決め手となった点が強調されています。また、民事訴訟で旧経営陣の責任を認めた初の司法判断として、企業役員の責任意識や原発政策の見直しを迫る内容となっています。
結論
 『東電役員に13兆円の支払いを命ず!』は、東電株主代表訴訟を通じ、福島原発事故の責任を個人に問うた画期的な裁判の全貌を明らかにする一冊です。巨額賠償命令が現実的に執行されるかは別として、事故の予見可能性と対策懈怠を厳しく断罪した判決は、企業ガバナンスとエネルギー政策への警鐘として後世に残る意義を持つと評価されています。読者には、事故の教訓と司法の役割を深く考える機会を提供します。
: 出版年が「2022年1月」と記載されていますが、本書の内容は2022年7月の判決を扱っており、実際の出版は2022年10月です(旬報社の公式情報に基づく)。質問の年号は誤植と推測し、内容は正しい版を基に要約しました。


2022年9月14日水曜日

『廃炉とは何か』 もう一つの核廃絶に向けて

 『廃炉とは何か』  もう一つの核廃絶に向けて

 

尾松亮/著       岩波書店 2022.8

 

福島原発事故から10年余り、事故炉の廃炉とは何をすることで、一体それは可能なのか。チェルノブイリなど海外の事例も参照しつつ論じ、大量廃炉時代に突入した今、老朽原発を含めた原発廃炉のもつ人類史的重要性を問う。


2022年9月13日火曜日

『「脱原発」への攻防』 追いつめられる原子力村

 『「脱原発」への攻防』  追いつめられる原子力村 


小森敦司/著       平凡社    2018.2

安倍政権下でも原発再稼働は進まず、電力自由化、東芝の経営危機、損害賠償裁判など、「ムラ」は確実に追いつめられている-。原発事故から7年取材を続ける記者が、「脱原発」にかかわる動きを綴る。

先日、「脱原発への攻防」という本を文京区立図書館で借りて、読んでみました。

本を書いているのは、朝日新聞の記者の方で、僕も以前、記者のツイッターをフォローしていました。

本を読んでみると、僕が紹介している震災本を書かれている多くの方のことが書かれていました。

本に出てきた僕が紹介している震災本を書かれている方々は以下です。

菅直人 本の中では福島原発事故の際の首相で、東京の住民避難も考えたとあります。

武藤類子 本の中では福島原発告訴団の団長として紹介されています。

尾松亮 本の中ではチェルノブイリ法の研究家として紹介されています。

除本理史 本の中では原発賠償について考えている方として紹介されています。

河野太郎 本の中では脱原発派の衆議院議員として紹介されています。
     『地震・台風・土砂災害・洪水から家族を自分で守る防災完全マニュアル』  『原発と日本はこうなる』

 この他にも本を書かれている方々が紹介されています、僕が紹介していない本を書かれている方々が紹介されています。

多くの本を書かれている方が本の中で紹介されていました。

本を読んでいて気になった箇所は、東電が「託送料金」として福島原発事故に関わる廃炉、賠償費用を国民に負担させようとしているという部分です。

「託送料金」とは発電所と家などをつなぐ「送電線の使用料」のことだそうです。

「託送料金」として電気代が上乗せされているようです。

国民は、「託送料金」として福島原発事故に関わる廃炉、賠償費用を払っているようです。

僕もブログに書いている東電の刑事責任については、東電の福島第一原発は津波対策を怠っていたとして東電の業務上過失致死傷の刑事責任を問うています。

同じく津波の被害を受けた、東北電力の女川原発、日本原電の東海第二原発を引き合いに出して、東北電力の女川原発、日本原電の東海第二原発は津波に対する防護対策をしていて、東日本大震災の際も津波を受けながらも全電源を失って放射性物質を大量に放出する事態に至らなかったと書かれています。

東電裁判では検察官役の指定弁護士が東電の福島第一原発は08年の試算で最大15.7メートルの津波が原発を襲うという結果が出ていたにも関わらずに、津波対策をしていなかったと書かれています。

津波を予見出来たのに、津波対策を怠り、福島原発事故が起きてしまったとの見解のようです。

この本を読む限りでは、東電の業務上過失致死傷の罪は問えると思いました。

コンパクトにまとまっていて、読みやすい本で一読の価値のある本だと思いました。

 震災関連本を書いている著者の方々が本の中で紹介されているので、早稲田大学探検部関係者には是非ともご一読していただきたい本です。



2022年9月11日日曜日

『原発再稼働』 葬られた過酷事故の教訓 

 『原発再稼働』  葬られた過酷事故の教訓           

 

日野行介/著    集英社    2022.8

 

311の悲劇から10年余り。ハリボテの安全規制と避難計画を看板に進む原発再稼働の実態を調査報道で告発する。災害時の住民心理の専門家・広瀬弘忠のインタビューも収録。


『左傾化するSDGs先進国ドイツで今、何が起こっているか 』

 『左傾化するSDGs先進国ドイツで今、何が起こっているか 』        

 

川口マーン惠美/著       ビジネス社           2022.8

 

電力不足なのに“脱原発と脱石炭”を同時推進、大量の税金を投入して電気自動車化、過剰な人道主義により勃発した難民問題…。行きすぎた平等志向で国を過ったドイツの「今」を伝える。


『超小型原子炉の教室』 いま日本人が知るべき原子力の真実

 『超小型原子炉の教室』  いま日本人が知るべき原子力の真実          

 

苫米地英人/著 サイゾー 2022.7

 

原子力推進に条件付きで賛成しながら、人々の暮らしを安全、安心に導く道がある-。小型原子炉の根本的な問題点、超小型原子炉と小型原子炉の違いを含め、正しい小型原発=超小型原子炉のための知識を解説する。

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『やらかした時にどうするか』

 『やらかした時にどうするか』  

 

畑村洋太郎/著 筑摩書房 2022.6

 

どんなに注意しても、どれほどたくさん知識を備えても、完全に防ぐことができない「失敗」。失敗を怖れることなく果敢にチャレンジできるよう、失敗の原因を分析し、それを糧にする方法を紹介する。


『気候変動対策と原発・再エネ』

 『気候変動対策と原発・再エネ』  CO2削減と電力安定供給をどう両立させるか?          

 

岩井孝/著           あけび書房           2022.6

 

気候変動の影響、原発の抱える諸問題や日本のエネルギー構成・電力構成、世界の再生可能エネルギーの普及状況などを紹介。原発に依存せず二酸化炭素削減を実現する道筋を示す。