2015年10月5日月曜日

『原発避難白書』

『原発避難白書』

              関西学院大学災害復興制度研究所/編 人文書院 2015.9

原発事故では、どれだけの人々が、いつ、どこへ、どのようにして避難したのか。そして現在、彼らを取り巻く状況とはどのようなものなのか。ジャーナリスト、弁護士、研究者、支援者、被災当事者が結集し、被害の全貌を描く。

先日、ニュースで、福島県からの原発避難者に対するいじめのニュースがあったので、地元の文京区立図書館で、「原発避難白書」という本を借りて読んでみました。

読みやすい本で、福島第一原発事故から避難している方々の状況を客観的に調べている本でした。

この本の中では、年間被ばく限度が、福島第一原発事故以前は1ミリシーベルトだったのが、福島第一原発事故以降、20ミリシーベルトに引き上げられたことについて、繰り返し書かれています。

福島第一原発事故以降、年間被ばく限度が20ミリシーベルトになったことで、被ばくによる体調の異変も起きてしまったら大変だと思いました。

執筆陣の中には、福島県の健康調査のことを取材している毎日新聞の日野行介さんもいらしました。

国から避難勧告を受けた方もいれば、自分でネットなどで情報を調べて、福島県から自主避難した方もいらっしゃるようです。

この本の中では、福島県の方々に被ばくという被害を与えた東京電力の法的な責任のことについても書かれています。

原子力損害賠償紛争審査会の指針によると、

被ばくした方々を被害者として、東京電力を加害者として、定義しています。

「自宅以外での生活を長期間余儀なくされ、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的苦痛」(避難慰謝料)について、一人月額10万円(避難所に避難した場合は一人月額12万円)を目安として賠償されることが明記された。

とあります。

慰謝料という形で、東京電力(加害者)が、福島県の方々(被害者)に慰謝料を月に10万円くらい支払っていることも分かりました。

横浜の原発避難者に対するいじめのニュースでも、賠償金のことは出て来たし、福島県から避難している方には賠償金は支払われているかと思い、賠償金(慰謝料)の項目のことは注意して読みました。

月に10万円位の賠償金(慰謝料)が支払われているようです。

 自主避難した方には慰謝料は支払われていないようです。

福島第一原発事故から避難している方々の状況も聞き書きで、書いていて、福島第一原発事故から避難している方々の心境が分かりました。

僕も、心の病気の方々を沢山知っていますが、福島第一原発事故の被害にあった方々も、僕の知っている心の病気の方々と同じように、精神的に辛い状況であることが分かりました。

先日のニュースで、福島第一原発事故から避難している方々に対してのいじめの問題が報道されていたので、地元の文京区立図書館で、「原発避難白書」という本を借りて読んでみたので、本を読んでみての僕の感想を書いてみました。

早稲田大学探検部関係者には是非、ご一読していただきたい本です。


原発避難白書
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著者:関西学院大学災害復興制度研究所
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