2023年3月15日水曜日

『福島 生きものの記録』 シリーズ1 ~被爆~

 『福島 生きものの記録』 シリーズ1 ~被爆                                

 岩崎雅典監督 (早大探検部6期OB、早大探検部OB会第4代会長) 群像舎 2013年

 平成25年(2013年)度 文化庁映画賞 文化記録映画優秀賞受賞

 発起人 中本信義(早大探検部6期OB)、坂口康、陣内直行、菅野均、矢作和重(早大探検部12期OB)、高橋丈夫(早大探検部13期OB)、中山哲(早大探検部13期OB)、清水光雄(早大探検部13期OB)、丹野慎一(早大探検部15期OB)、太田肇(早大探検部23期OB)、川村一綱

 呼びかけ人 飯島博、飯島正広、岩本久則、上幸雄(早大探検部10期OB)、奥島孝康(早大探検部第2代部長)、加藤登紀子、見城美枝子、竹内謙(早大探検部7期OB)、谷村志穂、中村敦夫、中西せつ子、西木正明(早大探検部7期OB)、西田敏行、羽山伸一、船戸与一(早大探検部8期OB)、前田憲男、柳生博、地球生物会議ALIVE

   2023年の年賀状に早稲田大学探検部OBからのカンパをと記したところ、早稲田大学探検部34OGの浅井美香さんより、2023113日に1万円のカンパがありました。

   カンパしていただいたお金で、早稲田大学探検部6OBで早稲田大学探検部OB会第4代会長だった故岩崎雅典さんの映像作品、『福島 生きものの記録』全5巻を購入しました。

  『福島 生きものの記録』全5巻をAmazonで見つけていたので、浅井さんからのカンパのお金で、 『福島 生きものの記録』全5巻のDVDを購入しました。

   早速、先日、 『福島 生きものの記録』 シリーズ1 ~被爆~を鑑賞しました。

   2011年の東日本大震災に伴い起きた福島第一原発事故により放射能汚染された福島県の状況を記録しているドキュメンタリー映画でした。

   福島第一原発事故から11ヶ月後に放射能汚染された、福島県南相馬市小高地区などに赴いて放射能汚染区域を探検し、映像としての報告にまとめられています。

   線量計を持って、福島第一原発から近い地区に入って探検し、放射能汚染された地域を映像として記録しています。

   線量計の値が3マクロシーベルトから4マイクロシーベルトの映像もありました。

   僕は「原発避難白書」という本を読んでいて、福島第一原発事故後、年間被ばく限度が、年間1ミリシーベルトから、年間20ミリシーベルトに引き上げられたことを知っていたので、線量計の値が、毎時、3マイクロシーベルトから4マイクロシーベルトとは、年間被曝線量が20ミリシーベルトになる計算になると思い、岩崎さんは、放射線量の値が最も高い最前線に入り、探検し、放射能汚染地域を探検し映像として記録して、報告を残したのだと思いました。

   福島第一原発事故後、立ち入り禁止区域になった区域で残り、希望の牧場という牧場を営んでいる吉沢正巳さんという方のことも取材されていました。

   吉沢正巳さんという方が営んでいた希望の牧場の牛たちが、福島第一原発事故で被曝して国からの命令で殺処分するようにとのお達しが出たことも分かりました。

   福島第一原発事故で被曝した福島の生きものたちを国は殺処分するように命令したようです。

   人間という生きものの愚かさを痛切に感じました。

   人間の作った、原子力発電所で事故が起こり、放射能が拡散され、放射能汚染され、被爆してしまったのに、被爆した牛を殺処分するように命じたようです。

  人間も生物です。

  牛も生物です。

   尊い命を、被曝した牛だからということで、国は殺処分するように命令したようです。

   人間の被ばく限度は、年間、1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げ、なんとかしようとしたようですが、被爆した生きものたちに対する、国の目は冷ややかで、殺処分するように命じたようです。

   福島県の放射能汚染区域に生きる被爆した生きものたちは映画の中では、美しく、かわいく映像として捉えていました。

   生きものたちをこれほど、美しくかわいくカメラに収めるには、大変な労力、時間が必要だと思うし、カメラを向ける側の、カメラワークのスキル、一瞬を逃さない集中力も必要だと思うし、カメラを向ける側の生きものたちに対するいとおしさ、優しさが必要だと思いました。

   僕はこの映画の生きものたちの映像から、カメラを向ける側の生きものたちへのいとおしさ、優しさ、愛を感じました。

   福島第一原発事故にやりきれいない思いを抱き、この映画を撮っていると思いました。

   映画の中では、全ての災いはここから始まったと、福島第一原発の映像を見せています。

 早稲田大学探検部関係者には是非、きちんと観ていただきたい映画だと思いました。

   先日は早稲田大学探検部6期OBで早稲田大学探検部OB会第4代会長だった岩崎雅典さんの作品、『福島 生きものの記録』 シリーズ1 ~被爆~を鑑賞したので、映画を見ての感想を書いておきます。


2022年11月26日土曜日

「東電役員に13兆円の支払いを命ず! 」 東電株主代表訴訟判決

 「東電役員に13兆円の支払いを命ず」 東電株主代表訴訟判決           

 

河合弘之/編       旬報社    2022.1

 

原発事業者としての義務を怠った東電役員を断罪した歴史的判決は、どのようにして勝ち取ることができたのか-20227月に東京地裁商事部が言渡した東電株代訴訟の判決内容と、その意義を解説する。


2022年9月14日水曜日

『廃炉とは何か』 もう一つの核廃絶に向けて

 『廃炉とは何か』  もう一つの核廃絶に向けて

 

尾松亮/著       岩波書店 2022.8

 

福島原発事故から10年余り、事故炉の廃炉とは何をすることで、一体それは可能なのか。チェルノブイリなど海外の事例も参照しつつ論じ、大量廃炉時代に突入した今、老朽原発を含めた原発廃炉のもつ人類史的重要性を問う。


2022年9月13日火曜日

『「脱原発」への攻防』 追いつめられる原子力村

 『「脱原発」への攻防』  追いつめられる原子力村 


小森敦司/著       平凡社    2018.2

安倍政権下でも原発再稼働は進まず、電力自由化、東芝の経営危機、損害賠償裁判など、「ムラ」は確実に追いつめられている-。原発事故から7年取材を続ける記者が、「脱原発」にかかわる動きを綴る。

昨日、「脱原発への攻防」という本を読んでみました。

本を書いているのは、朝日新聞の記者の方で、僕も以前、記者のツイッターをフォローしていました。

本を読んでみると、僕が紹介している震災本を書かれている多くの方のことが書かれていました。

本に出てきた僕が紹介している震災本を書かれている方々は以下です。

菅直人 本の中では福島原発事故の際の首相で、東京の住民避難も考えたとあります。

武藤類子 本の中では福島原発告訴団の団長として紹介されています。

尾松亮 本の中ではチェルノブイリ法の研究家として紹介されています。

除本理史 本の中では原発賠償について考えている方として紹介されています。

河野太郎 本の中では脱原発派の衆議院議員として紹介されています。
     『地震・台風・土砂災害・洪水から家族を自分で守る防災完全マニュアル』  『原発と日本はこうなる』

 この他にも本を書かれている方々が紹介されています、僕が紹介していない本を書かれている方々が紹介されています。

多くの本を書かれている方が本の中で紹介されていました。

本を読んでいて気になった箇所は、東電が「託送料金」として福島原発事故に関わる廃炉、賠償費用を国民に負担させようとしているという部分です。

「託送料金」とは発電所と家などをつなぐ「送電線の使用料」のことだそうです。

「託送料金」として電気代が上乗せされているようです。

国民は、「託送料金」として福島原発事故に関わる廃炉、賠償費用を払っているようです。

僕もブログに書いている東電の刑事責任については、東電の福島第一原発は津波対策を怠っていたとして東電の業務上過失致死傷の刑事責任を問うています。

同じく津波の被害を受けた、東北電力の女川原発、日本原電の東海第二原発を引き合いに出して、東北電力の女川原発、日本原電の東海第二原発は津波に対する防護対策をしていて、東日本大震災の際も津波を受けながらも全電源を失って放射性物質を大量に放出する事態に至らなかったと書かれています。

東電裁判では検察官役の指定弁護士が東電の福島第一原発は08年の試算で最大15.7メートルの津波が原発を襲うという結果が出ていたにも関わらずに、津波対策をしていなかったと書かれています。

津波を予見出来たのに、津波対策を怠り、福島原発事故が起きてしまったとの見解のようです。

この本を読む限りでは、東電の業務上過失致死傷の罪は問えると思いました。

コンパクトにまとまっていて、読みやすい本で一読の価値のある本だと思いました。

 震災関連本を書いている著者の方々が本の中で紹介されているので、早稲田大学探検部関係者には是非ともご一読していただきたい本です。



2022年9月11日日曜日

『原発再稼働』 葬られた過酷事故の教訓 

 『原発再稼働』  葬られた過酷事故の教訓           

 

日野行介/著    集英社    2022.8

 

311の悲劇から10年余り。ハリボテの安全規制と避難計画を看板に進む原発再稼働の実態を調査報道で告発する。災害時の住民心理の専門家・広瀬弘忠のインタビューも収録。


『左傾化するSDGs先進国ドイツで今、何が起こっているか 』

 『左傾化するSDGs先進国ドイツで今、何が起こっているか 』        

 

川口マーン惠美/著       ビジネス社           2022.8

 

電力不足なのに“脱原発と脱石炭”を同時推進、大量の税金を投入して電気自動車化、過剰な人道主義により勃発した難民問題…。行きすぎた平等志向で国を過ったドイツの「今」を伝える。


『超小型原子炉の教室』 いま日本人が知るべき原子力の真実

 『超小型原子炉の教室』  いま日本人が知るべき原子力の真実          

 

苫米地英人/著 サイゾー 2022.7

 

原子力推進に条件付きで賛成しながら、人々の暮らしを安全、安心に導く道がある-。小型原子炉の根本的な問題点、超小型原子炉と小型原子炉の違いを含め、正しい小型原発=超小型原子炉のための知識を解説する。

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『やらかした時にどうするか』

 『やらかした時にどうするか』  

 

畑村洋太郎/著 筑摩書房 2022.6

 

どんなに注意しても、どれほどたくさん知識を備えても、完全に防ぐことができない「失敗」。失敗を怖れることなく果敢にチャレンジできるよう、失敗の原因を分析し、それを糧にする方法を紹介する。


『気候変動対策と原発・再エネ』

 『気候変動対策と原発・再エネ』  CO2削減と電力安定供給をどう両立させるか?          

 

岩井孝/著           あけび書房           2022.6

 

気候変動の影響、原発の抱える諸問題や日本のエネルギー構成・電力構成、世界の再生可能エネルギーの普及状況などを紹介。原発に依存せず二酸化炭素削減を実現する道筋を示す。


『調査報道記者』 国策の闇を暴く仕事

 『調査報道記者』  国策の闇を暴く仕事   

 

日野行介/著    明石書店 2022.7

 

原発事故後、数多くのスクープを通じて隠蔽国家・日本の正体を暴き続けた職業ジャーナリストの、10年をかけた<原発戦記>の集大成。陰湿な権力に対峙し民主主義を守るために報道してきた事例と方法論を伝える。

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